ブロックチェーンを実世界に：Agrotokenで食物をトークン化
アルゼンチンを拠点とするスタートアップAgrotoken（アグロトークン）は、農産物のための最初のグローバルなトークン化インフラであり、現在、農作物をコモディティに裏付けられたステーブルコインに変換しています。ここでは、Agrotokenチームがどのようにして成功を収めてきたのかを振り返るとともに、同じような道を歩もうとする人々へのアドバイスをお届けします。
Agrotokenは、テクノロジー、金融、クリプト経済学、そしてアグリビジネスを融合させています。彼らは穀物をデジタル資産に変え（1 Agrotokenは1トンの穀物に相当）、保管するか、、エネルギー、サービス、その他の資産（種子、車両、機械、燃料、サービスなど）と交換します。
これは農産物のトークン化を実現する初のグローバル・プラットフォームであり、仲介者を排除することで農家に力を与えます（お金の節約と摩擦の軽減につながります）。そして農家が自分たちの穀物生産で貯蓄、投資、取引することを可能にします。
当初はイーサリアム上に構築された概念実証として検討されましたが、持続不可能なガス価格と取引コストにより、統合をテストするためにポリゴンに試験的に移行しました。そして、最終的に完璧なプラットフォームとしてアルゴランドを見つけ、以来、すべての新しいトークン化を移行させました。Agrotokenは、アルゴランドが現在および将来のブロックチェーンであると確信しています。
「私たちはブロックチェーンを現実の世界に持ち込んでいます。私たちは食品をトークン化しているのです」
変わった経歴がいかにして核となる強みになりうるか
CEO兼共同創業者のEduardo Novillo Astradaは、一風変わったルートでクリプトの世界に足を踏み入れました。経営学を学んだ後、20年間プロのアスリートとして活躍しました。この時に得たスキルや築いたネットワークが、後の共同創業者であるCTOのAriel Scaliterにつながり、彼からSilvio Micaliとアルゴランドを紹介されました。Agrotokenの拠点であるアルゼンチンには、世界でも有数の巨大なクリプト・コミュニティがあります。さらに、ラテンアメリカの広い大陸には、多くのアグリビジネスがあります。EduardoとArielは、これらの別々の糸を組み合わせて、ゲームチェンジャーとなる素晴らしい会社を築き上げました。そして、その変わったデザインこそが、彼らの強みになっています。
Agrotokenは世界初で、現実世界の資産や天然資源をトークン化する世界的な専門家です。ファーストムーバーとして、多くの選択肢とチャンスが用意されていますが、これはブロックチェーンが採用されたことのない領域でイノベーターであることの多くの利点のひとつです。非常にエキサイティングな時代です。今、Agrotokenは、大豆、トウモロコシ、小麦の3つのトークンを提供しています。この3つの作物の生産の70％は、アルゼンチン、ブラジル、米国で行われています。
近い将来、生産性の高い土地もトークン化し、例えば10ドルあれば誰でも農場の一部を購入できるようにする予定です。他にも、肉屋がキログラム当たりの肉をヘッジするための牛トークンや、太陽光発電のトークンなども考えています。また、VISA、Microsoft、Banco do Brasilとも共同開発を進めています。最近、アルゴランドでVISAとの最初のデプロイメントが行われました。スターバックスでのVISA決済が、穀物で行われたのです！コーヒー1杯と0.021トンのトウモロコシを、わずか数秒のうちに交換したのです。Agrotokenは、一度に1つのトークン化された穀物で、アグリコマースの未来を私たちに届けてくれるのです。
ゼロからイチへ：アルゴランドの始め方
経験豊富な開発者からのメッセージ。Agrotokenのシニア・ブロックチェーン・アーキテクトであるDiego Grassoは、アルゴランドの学習曲線についてよく知っています。彼は25年間開発を続け、2017年からはブロックチェーンに特化して仕事をしています。Agrotokenがイーサリアムからポリゴン、そして2021年にアルゴランドに移行したとき、彼は自分のチームの採用プロセスを観察することができ、以来、アルゴランドによる開発者ツールセット構築と開発者体験の向上に関わってきました。
重要な洞察は、新しい開発者、つまりブロックチェーンにまったく触れたことのない開発者は、少しばかり有利になるということです！Diegoは、イーサリアムの経験を何年も積んだ開発者がアルゴランドを理解するためには、特定のアーキテクチャの基礎をほとんど捨てさらなければならないことを発見しました。しかし、一度理解すれば、プラットフォームでの経験値は完全に急上昇します。Agrotokenチームは、全員がアルゴランドの学習に切り替えることで初期学習投資を行いましたが、現在も将来性についても、これ以上ないほど満足しています。イーサリアムからアルゴランドに移行すると、すぐに気づくのはそのスピードです。トランザクションを送信してから結果が出るまで15分も待たされることはもうありません！アルゴランドでは、数秒、文字通り3、4秒しかかからないのです。
「アルゴランドはブロックチェーンに初めて触れる開発者に最適です。イーサリアムやポリゴンを知らなくても始められますし、サポートも抜群です」
ブロックチェーンに初めて触れる人は、まずはブロックチェーンに関するいくつかのクラスから始めて、圧倒されないようにしてください、とDiegoは言います。ブロックチェーンは広範で、とてもエキサイティングな分野なので、まずは基本的な概念から始めましょう：分散化、契約、取引などです。まずは自分の専門分野からアプローチすることが大事です。フロントエンドの開発者であれば、まずブロックチェーンのフロントエンドの側面を調べ、その仕組みに触れてみてください。それから、知識を広げていけばいいのです。ブロックチェーンのプロジェクトは、80％が探索、10％がブロックチェーンとのインターフェイス、10％がコントラクトであることを学ぶことができます。すぐにスマートコントラクトを書く仕事に就けるわけではありませんが（もっと経験のある人がやるでしょう、それは良いことです）、自分の経験と理解を深めていくことができます。
最後に、DiegoとAgrotokenが光明を見出したのは、アルゴランドのコミュニティとDiscordを活用するようになったときです。必要なことを具体的に質問し、知識豊富で適切なサポートを受けることで、チームは他では得られない力を得ることができました。
アルゴランドのコミュニティ構築への取り組み
コミュニティはDiscordの返信にとどまりません。YouTubeにはたくさんの動画があり、豊富なドキュメント、開発者向けサイト、ワークショップ、ミートアップがあります。その上、Agrotokenはアルゴランド財団から30万ドルの助成金を受け、最近のVISAプログラムをアルゴランドに展開するための適切な技術構築をサポートしました。
アルゴランドがAgrotokenと関わったのは、AgrotokenのCTOであるAriel Scaliterがいたからです。Arielは、Silvioとアルゴランドの長年のファンで、最終的に手を組むことになりましたが、完璧なプラットフォームを見つけることができ、これ以上嬉しいことはありません。 Eduardoが特に安心したのは、他のすべてのブロックチェーンが問題を抱えている中で、アルゴランドがロードマップに沿った開発を続け、約束を果たしていることです（テクノロジー企業としては並大抵のことではありません）。
真のMVP：AgrotokenのCEOからのアドバイス
あなたが宇宙人で、初めて地球を訪れたと想像してください。2058年のことです。ブロックチェーンはどこにでもあります。ブロックチェーン技術を利用していない企業は、世界中に1社もありません。それはそれで素晴らしいことですが、ここでの本当の違いは、ブロックチェーンが私たちの社会を改善し、制度を変え、人々の生活を向上させたということです。レタスやトマトを農家から直接、中間業者を通さず、適正な価格で購入できるようにすること、そして要求事項を細かく設定することなど、分散化、透明化、セキュリティといったコンセプトがあらゆるものに盛り込まれています。
「素晴しいことであり、最も大事なことは、ブロックチェーンがもたらすすべての利点が、機関だけでなく、人々にとっても魅力的なことです」
Arielは、いつもチームにこう言い聞かせています：ブロックチェーンで解決しようとする問題を作り出す必要はない。現実の物理的な世界には、すでに解決すべき状況や問題、機会が存在しているのです。あなたがたがすべきことは、そこへ行き解決を始めることです。
このことを念頭に置いて、Eduardoは、目に見えるポジティブな社会変革の巨大なパワーにインスピレーションを受け、そこに到達するためのテクノロジーと基盤を使って構築するようアドバイスしています：持続可能で、支援的で、成功する方法で。
元記事：https://info.algorand.foundation/developerstories/agrotoken