【要約】アルゴランドが描く「金融3.0」の未来と4つの戦略|DevConnect基調講演
- Akio Sashima
- 12 時間前
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アルゴランド財団CSMO(最高戦略・マーケティング責任者)のMarc Vanlerbergheが、DevConnectの「Algoday」で行った基調講演の内容をまとめました。クリプトの未来を「金融エンパワーメントの時代(Financial Empowerment)」と定義し、それに向けたアルゴランドの具体的な戦略が語られています。
1. ビジョン:金融3.0(The Protocol Era)への移行
これまでの中央集権的な「銀行(Pre-Internet)」や、便利だが相互運用性のない「Fintechアプリ(Web 2.0 / PayPal, Venmo等)」の時代を経て、次は「ウォレットが金融の中心となる時代(Web 3.0)」が到来すると予測しています。
ウォレット中心の金融:貯蓄、決済、投資など全ての金融サービスがオンチェーン化され、ユーザーは自身のウォレット(秘密鍵)を通じてそれらにアクセスする。
「囲い込み」からの解放:既存のFintechアプリ(Walled Gardens)とは異なり、資産は構成可能(Composable)になり、摩擦なく移動・運用が可能になる。
資産の生産性向上:アカウントに眠らせておくだけでなく、オンチェーン資産は24時間365日、自動的に利回りを生み出すようになる。
この実現には「ステーブルコインの規制整備」「AIエージェントによる決済(Agentic Payments)」「RWA(現実資産)のトークン化」が不可欠であり、今まさにその環境が整いつつあります。
2. アルゴランドの4つの重点戦略
このビジョンを実現するため、アルゴランドは以下の4分野に注力しています。
① ネットワークの分散化(Network Decentralization)
アルゴランドは「アルゴリズムによるランダム性」だけでなく、経済的インセンティブによる分散化も達成しました。
ステーキング報酬の導入:かつての「利他的な運用」から「報酬ありの運用」へ移行し、ステーク量は半年で3〜4倍に増加。
財団保有分の縮小:財団のステーク比率は年初の70%から約20%へ劇的に低下。現在は2,000以上のノードが稼働中。
参加の容易さ: ALGOからステーク可能(報酬発生は3万ALGO〜)。スラッシング(没収罰則)なし、ロックアップなし、即時報酬というユーザーフレンドリーな設計。
② ウォレット・インフラの革新(Wallet Infrastructure)
既存のPera Walletに加え、新たな2つのウォレット基盤を開発中です。
Intermezzo:企業向けのカストディアル・ウォレットAPI。ブロックチェーンの知識がない企業(例:World Chess)でも、自社ブランドでオンチェーン・ポイント制度などを構築可能。
Rocca:新しいホワイトラベル対応の自己管理型ウォレット。
DeRec(分散型リカバリー)対応:シードフレーズを紛失しても、信頼できる友人や家族を通じて復旧できる仕組み(Social Recovery)。
手数料の抽象化:ガス代(ALGO)を意識せず、ステーブルコインや法定通貨感覚で利用可能にする。
③ 金融ユースケースの拡大
X402プロトコル(Agentic Commerce):Coinbase等が提唱する「HTTP 402(支払い要求)」プロトコルを完全実装。AIエージェントがAPI利用料などをオンチェーンで支払う「マシン・ツー・マシン」経済圏を構築可能。
真のトークン化:単に台帳として使うだけでなく、Lofty(不動産)のように「投資契約そのもの」や「法的な所有権」をオンチェーン化し、日々の収益分配を自動化するモデルを推進。
④ プロトコル開発とインフラ
プライバシー:ゼロ知識証明(ZK)回路の構築が可能に(AlgoPlonk)。
量子耐性(Post-Quantum): アルゴランドの台帳履歴はすでに量子コンピューターによる改ざん耐性を持つ。現在は「量子耐性アカウント」も作成可能になり、コンセンサス・キーの対応も進行中。
スケーリング:現在でも即時ファイナリティを持つが、将来のマイクロペイメント需要(AIエージェント経済)を見据え、ブロック・パイプライン化や並列実行により、さらに100倍のスケールアップを目指す。






