2021年6月3日14 分

週刊アルゴランド・ジャパン Vol. 6【2021年5月31日発行】

最終更新: 2021年6月21日

週刊アルゴランド・ジャパン
 
Vol. 6【2021年5月31日発行】

米国MIT発パブリック・ブロックチェーン「アルゴランド(Algorand)」の最新情報プラスαを毎週月曜日にお届けします。皆様からの協業・提携、助成金申請、イベント共催などの各種ご提案も絶賛受付中!お気軽にお問い合わせください。

【はじめに】
 
「無料」という言葉ほど便利で怖いものはありません。例えば、ファミレスで「サラダバー無料!」とあっても、もちろんそれは無料ではありません。何かを頼めばおまけで付いてくるだけで、サラダだけを無料で食べられるわけではありません。同じようなことはいろんなサービス業界で存在します。例えば、「取引手数料無料!」。確かに取引手数料はかかりませんが、買値と売値に差(スプレッド)があり、その差額が取引所の儲けとなります。これは要するに取引所が取る「手数料」です。正確に言えば、これは取引所ではなく販売所なのですが、日本のいわゆる取引所で売買する際にはよく見極めておきましょう。びっくりするくらいのスプレッドがある場合があります。いずれDEXに淘汰されます。

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1.注目ニュース

(1)アルゴランド投資信託が誕生
 

 
デジタル資産運用会社Osprey Funds, LLCは、米国および海外の投資家向けに「Osprey Algorand Trust」を発売しました。このファンドは、ALGOへのエクスポージャーを提供する最初の投資商品です。ウォレット管理などの心配なく、普通の金融商品と同じ感覚で取引できます。
 

 
ただし今のところ購入できるのは適格投資家のみです。個人で言えば、年収20万ドル以上かつ金融資産100万ドル以上という条件があります。近い将来、一般投資家でも購入できる様になることを期待します。
 

 
>Osprey Funds公式サイト
 

 
<関連記事>
 
>Osprey Funds、初のアルゴランド投資商品を市場に投入
 

 
>米国初、アルゴランド(ALGO)投資信託を販売開始──Osprey Funds

(2)セキュリタイズが利回りファンドをデジタル証券化
 

 
セキュリティ・トークン発行プラットフォームを運営する米セキュリタイズ(Securitize)は、BTCとUSDCの2つの暗号資産利回りファンドをアルゴランド上でデジタル証券化して提供することを発表しました。
 

 
こちらも適格投資家向けに限定されています。
 

 
セキュリタイズといえば、日本にも子会社であるセキュリタイズ・ジャパンを擁し、セキュリティ・トークン分野で積極的に活動しています。今後は日本での同様の動きも期待されます。
 

 
<関連記事>
 
>暗号資産レンディングの利回りをデジタル証券化:米セキュリタイズ
 

 
>ビットコインやUSDCの貸付け利回りを証券化へ──米Securitize

(3)ブロックチェーン開発を容易にするプラットフォームReachが資金調達で開発者獲得を加速
 

 
Reachはアルゴランドとイーサリアムにフォーカスした開発プラットフォームで、ソフトウェア開発者がスキルや経験に関係なく、安全かつ簡単にブロックチェーン・アプリケーションを短時間で構築できるようにします。
 

 
2019年に設立されたReachが拠点とするのは、アルゴランド・インクと同じ米国ボストン。強固なパートナーシップで、ともに世界展開していきます。
 

 
>Reach公式サイト
 

 
<関連記事>
 
>Reachが1,200万ドルを調達、ブロックチェーン開発の簡素化と次世代の分散型アプリケーションの実現を目指す

(4)PlanetWatch(PLANETS)がBitFinex上場へ
 

 
アルゴランドのブロックチェーンを活用してグローバルな大気質台帳を構築しているフランスのスタートアップであるPlanetWatchがBitFinexへの上場を発表しました。アルゴランド上で発行されているトークンのメジャーな取引所への上場はこれが初となります。
 

 
大気質をモニタリングするセンサーを設置する個人や法人にインセンティブとして配布されるという特殊な性格を持つトークンです。今後の動向に要注目です。
 

 
<関連記事>
 
>PlanetWatch、イタリアの2つの主要都市で革新的な大気質モニタリングの作動開始とともに、アルゴランド財団からの助成金受賞を発表

(5)SAPユーザーが容易にアルゴランド利用可能に
 

 
SAP Business Hub上で公開されたオープン・コネクタAPIは、SAP Cloud Platform(SCP)またはスタンドアロンのSAPクライアント上のSAPエンタープライズ・アプリケーションとアルゴランド・プロトコルとの間に、切望されていた相互運用性を提供します。このコネクタにより、SAPユーザーは、数十億人のユーザーへの拡張性、今日のビジネス・ニーズに必要なスピード、チェーン上のデータや資産のセキュリティを保証するファイナリティ、低い取引コストを提供するブロックチェーンをシームレスに利用することができます。
 

 
>Algorand API
 

 
<関連記事>
 
>アルゴランド・ブロックチェーン・オープンAPIコネクタがSAP API Business Hubで稼働開始

(6)その他
 

 
- アルゴランド公式パートナーULAM LabsがNFTプラットフォームのホワイトラベルを提供開始。誰でも容易にNFTマーケットプレイスを開設できます。
 

 
- DfynがフルAMMノード構築に向けアルゴランド財団から助成金獲得。マルチチェーンDexが流動性プール乱立による問題を解決する。
 

 
- MyAlgoがアセット管理機能を追加。MyAlgo上でASA(アルゴランド標準アセット)発行・管理が可能に。もちろんNFTも。
 

 
- Woo Xがアルゴランド版USDTサポート開始。
 

 
- MugglePayがアルゴランド版USDTサポート開始。

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2. アルゴランド・ジャパンの現在の優先ミッション
 

 
近々、国内のブロックチェーン開発系企業とアルゴランドとの提携&助成金授与のニュースが出る予定ですが、やはりアルゴランドの市場拡大のためには有力な開発企業との提携が欠かせません。特にグローバル対応可能な人材が揃ったところとの提携が必須。世界のブロックチェーン業界はもはや「とりあえず作ってみた」とか「(ユーザーいないけど)日本初!」とかいう遊びの段階はとっくに超えています。「そうはいっても英語が・・」という場合でも、しっかりしたパートナーさえいればなんとでもなります。ニュースリリースまでしばしお待ち下さい。
 

 

 
<先週までの既報ミッション> 
 
*詳細はバックナンバーをご参照ください。
 

 
(1)【開発パートナー募集】
 
(2)【$ALGO決済導入先募集】
 
(3)【ユーチューバー/コンテンツ・クリエイター募集】
 
(4)【ウォレット日本語化】
 
(5)【開発者ポータル日本語化】
 
(6)【各分野担当アンバサダー募集】

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3.イベント案内
 

 
(1)5月27日に開催されたOMFIF主催のセッション動画
 

 
パブリック・ブロックチェーンは、金融サービス全体で受け入れられつつあり、決済、スマートコントラクト、スマートアセット、デジタル・アイデンティティ、清算・決済などのユースケースが増えています。これらのブロックチェーンは、取引におけるスケーラビリティ、コスト削減、スピード、セキュリティ、透明性を提供します。しかし、プライバシーの制限、ガバナンスの欠如、採用などの問題が残っています。本パネルでは、パブリック・ブロックチェーンの金融やデジタルマネーへの応用について議論し、商業通貨のデジタル表現におけるブロックチェーンの役割や、中央銀行のデジタル通貨導入戦略におけるブロックチェーンの利用可能性を探ります。

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4. ユースケース紹介
 
「ブラジル・レアルのステーブルコインBRZ」
 

 
アルゴランド上では多くのステーブルコインが発行されていますが、ブラジルでもBRZが発行されています。数日前には発行額が10億レアル(約210億円)を突破したというニュースも流れました。
 

 
スイスとブラジルに拠点を置くトランスフェロ(Transfero Swiss)によってブラジル・レアルを裏付けとして発行されるステーブルコインBRZは複数のプラットフォームで利用可能で、国際市場とブラジルの間のシームレスな架け橋として機能します。
 

 
>BRZ公式サイト
 

 
<関連記事>
 
>ブラジルのデジタル・トークンBRZがアルゴランド・ブロックチェーン上でローンチ

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5.今週の注目コンテンツ

(1)アセットのトークン化:金融機関とフィンテックのためのガイド
 

 
アルゴランドの解説記事シリーズとして、アセットのトークン化についてまとめた記事が発行されました。会社の株式、商品、美術品、不動産、お金など様々な資産のトークン化が金融の未来において果たす役割について、また、アルゴランド上で運用されているトークン化された資産について包括的に学べます。
 

 
>アセットのトークン化:金融機関とフィンテックのためのガイド
 


 
(2)音楽業界におけるNFT活用
 

 
先週お伝えした欧州のAnote Musicによるアルゴランド導入のニュースをもとにした記事です。日本では「NFT=アート」といいうイメージが先行していますが、NFTは様々な分野で活用できるのと同時に、DeFiと組み合わせることで、各業界のお金の動きを大きく変えていくことが期待されます。
 

 
>音楽の著作権管理にNFTを活用、ロイヤリティマーケットプレイスとアルゴランドが提携
 

 
(3)テレグラム上でのQ&A
 

 
日本語公式テレグラムが徐々に活性化してきています。公式サイトに質問するのもいいですが、テレグラム上で質問することでコミュニティと情報共有することができますので、どんどん質問していきましょう。今回は一例を転載します。
 

 
Q.はじまして、ALGOについて教えて頂きたいのですが、一般ユーザーやアルゴランドと提携している企業がALGOを保有することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?ALGOというトークンの具体的な使い道についてどなたかご教授いただけましたら幸いです!宜しくお願い致します!
 

 
A.人によって保有目的が異なるので一言では回答しづらいですね。ALGOは株券でも通貨でもなく、他のいわゆる仮想通貨と同じ機能も持ちながら全く同じものではないアルゴランド独自のトークンです。あらゆる「価値の移転」が行われるようになるプラットフォームとしてのアルゴランドで取引を行う際の手数料、またガバナンス(運営に関する意思決定)に参加できる投票券としての役割も(今年第4四半期から)加わってきます。各種分散型金融サービスの担保などにも利用できるようになってきますし、利用方法は今後どんどん広がっていくことが期待されます。価格は変動するので上がれば得するし、下がれば損しますが、現在は保有しておくだけで6%以上のステーキング金利が付きますし、ガバナンス・プログラムが始まれば参加することでより利率の高いガバナンス報酬が得られるようになります。
 

 
Q.大変ご丁寧に教えていただき本当にありがとうございます!個人的にはガバナンストークンであるかどうか気になっていたのですが、今年第四半期からそうなることが公表されているというのは大変興味深いです。また、「プラットフォームとしてのアルゴランドで取引を行う際の手数料」とのことですが、これは、例えばアルゴランド上で構築されているプロジェクトがプラットフォームの使用料をALGOで支払う仕組みになっている。という認識で合っておりますでしょうか?例えばマーシャル諸島共和国のデジタル通貨がアルゴランド上で構築されるようなのですが、これはマーシャル諸島共和国がアルゴランドのプラットフォームに対して手数料をALGOで支払う。という意味になるのでしょうか?長文ですみません、、ご教授いただけましたら幸いです!
 

 
A.イーサリアムのガス代と同じです。ただしアルゴランドの場合は0.001Algo に固定されています。マーシャル諸島共和国のSOVはアルゴランド・パブリックチェーン(メインネット)ではなくプライベートチェーン版(Co-chainといいます)に構築されますが、機能は全く同じで、手数料もALGOで支払います。Co-chain同士はメインネットを通じて接続してアトミック,スワップも可能です。
 

 
Q.なんと!一つの国家がALGOでプラットフォーム使用料を支払うというのはもの凄いことのような気がします。また、プライベートチェーン(Co-chain)の存在は知りませんでしたが、仕組みや技術的なことについてはもう少し自分で調べて勉強したいと思います!ご丁寧に本当にありがとうございます!最後に一つだけ教えて頂きたいのですが、ALGOの競合になり得る銘柄は御座いますでしょうか?(ADA,DOT,ATOM,FSNあたりでしょうか、、?)もし差支えなければご教授頂けましたら幸いです!
 

 
A.競合がどこかという見方をするのはまだ早いですね。パブリックチェーンは複数が並存し、それぞれの得意分野で拡大していくはずです。アルゴランドは金融分野、とくに最近流行りのクリプトだけで完結するもの(私はこれを土地転がしならぬ「クリプト転がし」と呼んでいます)ではなく、既存の金融サービスと分散型金融を融合させる分野にまずはフォーカスしています。この観点からすると、既存の金融業界のボスであるアメリカを拠点とするアルゴランドは優位なポジションにいると思います。

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6.コミュニティ
 

 
(1)テレグラムにチップ機能搭載
 
日本語公式チャネル内で、ユーザー同士が簡単にチップを贈り合うことができます。もちろん手数料は通常のアルゴランドと同じ0.001Algo=0.1円程度ですので、10円程度の少額でも手数料を気にすることなく気軽に贈ることができます。数秒であっという間に届きますので、アルゴランドのスピードの速さも実感できます。ぜひご利用ください。*他のテレグラム・グループなどでも利用可能です。導入するにはグループ・メンバーに「@algorandtipbot」を加えるだけです。
 

 
>チップ・ボットの使い方
 

 
>アルゴランド日本公式テレグラム
 

 
ちなみに、これと同じようなことは、テレグラムの外でも可能です。例えば、バーでAlgo決済を導入して、店内の様子をオンラインでLive中継する。それを観ている世界中の人、例えば地球の裏側のブラジルのカルロス君が「あの黄色のTシャツ着ている子にビールを一杯奢りたい」となった場合、Barのアカウントにさくっとビール代を送金(ノート欄に「黄色いTシャツの子にビール奢る」と記入)して、ウェイターがその子にビールを運んで「ブラジルのカルロス君から」と伝えると、画面上でその子が「キャー、カルロス、サンキュー!」と伝える、みたいなことができます。
 

 
そんなしょーもない使い方から始まって、世界を変える画期的な使い方へと進化していくことが期待できます。手数料を気にすることなく、超速でマネーを世界中のどこにでも送ることができるという機能を活かすも殺すも利用者次第です。
 

 

 
(2)タスクをこなせば誰でも報酬獲得可能に
 
アンバサダー向けプラットフォームが近々ローンチされるとお伝えしてきましたが、どうもこれはアンバサダーに限定されず誰でも参加できるプラットフォームになるようです。各種タスクが掲載され、それに立候補し、実行することで、Algo報酬を獲得できるようになります。発表まであともう少しですので、乞うご期待!
 

 
>グローバルのアルゴランド・コミュニティへのご登録はこちら
 

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7. その他色々
 

 
(1)今週の視点
 
金融庁からByBitという海外取引所に警告が出されました。海外取引所の利用はすべて自己責任です。わざわざ警告が出されたということは、よほど問題が起きていて、多くのクレームが金融庁のもとに寄せられていたと考えるのが普通。でもクレームを入れたところで、金融庁ができるのはここまで。何が起ころうとも、すべてユーザーの自己責任です。甘えるのはやめましょう。
 

 
(2)今週の数字
 
「100,000」
 
先日、アルゴランド公式ツイッター・アカウント(英語)のフォロワー数が10万人を超えました。たったの10万人?と思われるかもしれませんが、フォロワー獲得キャンペーンなど一切してきていないので、これが普通の数字のような気がします。
 

 
(3)今週の英語
 
【Trustless】
 
ブロックチェーン業界でよく使われるのですが、「管理者が存在しない、管理者による承認を必要としない」という意味です。機械翻訳などを使ってしまうと「信頼できない」と訳してしまうことも多く、まったくの誤訳となってしまいます。気をつけましょう。
 

 
(4)今週の小ネタ
 
アルゴランド財団のアソシエイト・ディレクターとして日本市場も担当しているハイチャオは数年前には東大大学院でリサーチャーをしていました。少し日本語もできます。
 

 
(5)おススメの本
 
"お金"をダイジェスト
 
私たちの誰もが使い、時に借りたり貯めたりするもの。それがお金。クレジットカードからカジノ、詐欺、学資ローンまで、お金にまつわる仕組みを解説する。
 

 
>今回ご紹介するのは本ではなくネットフリックスで観られる動画です。人は誰しも欲があるので、お金にまつわる色んな仕組みを知らないと、簡単に騙されます。短くまとまっていますのでスキマ時間にサクッと観れます。とくに第一回の「楽して稼ぐ方法」は必見。
 

 
(6) 今週の美味い飯
 
「鳥房の半身揚げ」
 
東京都葛飾区立石7-1-3
 

 
>言わずと知れた鳥の素揚げの名店。最近自称「からあげ専門店」が増えていますが、一見簡単に見える料理ほど奥が深いので、やはり昔からある名店の味にはかなうわけありません。鳥房は厳密にはから揚げではなく素揚げですが、鶏の旨さをダイレクトに味わえます。
 

 

 
では今週も張り切っていきましょう!!
 

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アルゴランド•ジャパン
 
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*アルゴランド・ジャパンは日本向けにアルゴランドの情報を配信するサイトです。当メルマガは、2019年12月よりアルゴランド日本担当アンバサダーとなり、2021年4月からはコミュニティ・チャンピオンに就任しているakio(Twitter: @AkioAlgorand)による責任監修のもとで配信しています。
 
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